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セイヨウミツバチの視葉 Optic Lobe

藍浩之(福岡大学理学部地球科学科)


視葉
ミツバチは、自然界で視覚的特徴(花の色、形、空間パターンなど)を記憶学習し、採餌する花の手掛かりにしていることが行動実験で明らかにされており、これまでに視覚の神経機構の研究が進められてきた。ミツバチの複眼は、約5000の個眼から成り、それぞれの個眼は9つの視細胞が中心軸に集合型のラブドームをもつ。視細胞はその光波長応答特性で3つに分類されている(Short-, Mid-, Long-range wavelength)。視細胞は、明るさ、色、偏光を電気信号に変換しており、この信号は脳内の3つの領域(視葉板lamina, 視髄medulla, 視小葉lobula)で段階的に処理される。これによって、明暗コントラスト、色コントラスト、動きなどの視覚情報が検出されている。

視葉板lamina:視葉板は3層の構造(A-C層)から成り、個眼単位の神経繊維の束はこの層構造を直行して進み、視葉板の介在ニューロン(Lニューロン)から伸びる4本の神経繊維と一緒になってカートリッジと呼ばれる単位構造をつくる。視葉板には個眼と同じ数のカートリッジがグリア細胞で仕切られて並び、その配列は個眼の配列に対応する。これを網膜配置対応性(retinotopic)と呼ぶ。 個眼からきた9本の神経繊維のうち6本はカートリッジで終わる短繊維だが、残りの3本(Short- and Mid-range wavelength)は2段目の視覚ニューロパイルの視髄まで伸びる長繊維である。つまり6本の短繊維がカートリッジ内でLニューロンに軸索・軸索間シナプスで連絡した後は、視細胞の3本の長繊維と4本のLニューロンの神経繊維の束となる。それぞれのカートリッジから出た7本の束が、第一視交叉(1st optic chiasma)を通り抜けて、視髄へ軸索を伸ばす。

視髄medulla:視髄の内部は6層の構造から成る。視葉板から視髄へ入ったカートリッジ単位の神経束は、視髄の介在ニューロン(後述のTm細胞など)の神経繊維と一緒になって、カラムと呼ばれる単位構造をつくる。カラムの数は視葉板のカートリッジと同じだが、その配列は第一視交叉を経ることでカートリッジとは前後が逆向きになる(前方―後方で網膜配置対応性が逆転する)。ミツバチでは1個のカラムを何本の神経繊維で構成するのかまだ分かっていない。視髄のカラムに入った視細胞の長繊維とLニューロンの神経繊維は第1層か第2層で終わりながら、Tm(transmedullary)細胞の神経繊維とシナプス連絡をする。Tm細胞は、第2視交叉を経て3番目の視覚ニューロパイルの視小葉まで軸索を伸ばしている。視髄内の介在ニューロンの視覚刺激に対する応答性から、視髄は空間情報や色覚情報の信号化と方向選択性のない動きの検出に関わるニューロピルと考えられている。

視小葉Lobula:視小葉は複眼や視髄の直交する面に向いており、6層の構造から成る。視小葉のカラムは外側の層(1~3層)で視髄のカラムに対応して並び、視髄のカラムから来た神経繊維の束は対応する視小葉のカラムに入って、視小葉の出力ニューロンへ連絡する。視小葉の出力ニューロンは視覚情報を異なる脳領域(キノコ体、対側の視葉、前大脳側葉)に送る。視小葉内の介在ニューロンの視覚刺激に対する応答性から、視小葉は動きの方向の検出に関わるニューロピルと考えられている。

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